広島市郷土資料館のこと(第1回)

20121012a
<画像:「広島市郷土資料館」正面入り口付近>
(撮影日):平成24年9月下旬午前10頃
(天 候):快晴
(撮影機材):iPhone

 『広島市郷土資料館』に出向いたのは先月末(平成24年9月下旬)のこと。
 JR広島駅から、ひろでん市電の宇品線(比治山下経由)に乗車。15~20分間位で『宇品2丁目』の停留所に着く。電停から西に向かって徒歩約3~5分位、小さな建物の立ち並んだ昭和風レトロな小路を数十メーター進むと、突然に視界が広がる。
「いいねえ~ 広島の旧市街の宇品のまんなかに、古めかしくて威厳あって静寂で、そしてロマンティックな歴史建造物があったのだ……」
広島駅から市電に乗ったつもりだけれども、あわや「タイムマシンに、乗り間違えたのでは?」と錯覚するほどに、雑然とした街並みは、突如として赤レンガの格調高い歴史建築物に変貌する。
 「お!? 入館者は吾輩だけ、たった一人か?」
 なんとウイークデーの午前10時過ぎ、館内はあまりにも静かで、ガラ空き状態でははりませんか。

          20121012b(資料館正面入り口手前道路から、やや遠望する)

 「正午まで2時間、ゆっくり見よう……」
 と期待して入館しながら四半世紀前に交わした友人との会話を、思い出しました。
 それは昭和61~62年頃の出来事です。酒を酌み交わしながら、少々酔いのまわった友人曰く、
 「ヨーロッパの旅行事情に詳しい君も、郷里の事には無関心かい?」
 戦前の建物、すなわち原爆が落ちた昭和20年より前の建造物が宇品にあり、その存在を知らない私を非難しているのだ。
 「……?」
 「海外旅行専門のユー(You)は、欧米や東南アジアには詳しいけれども、どうやら故郷広島を小馬鹿にし原爆ドームを小汚いと罵っては目を逸らし、君自身が被爆者にも拘らず非現実的だと言って原水爆反対運動や平和活動を毛嫌いする。が広島は其れだけではないんじゃ。江戸の中後時期に於ける旧広島藩政の有り体を矮小視し以って明治維新後に軍都として栄えた(はずの)広島の近世近代史を知ろうとしない宇宙人風な男だ。 敗戦後、焼けただれ廃墟となった原爆ドームや流れ川や薬研掘の飲み屋街だけじゃない」
 そのじつ彼の熱弁に感動し、概ね論旨に同意し、黙って聞いていたら、
 「きみ、ちゃんと聞いとるんか?」
 ビアグラスに手をかけ、一口グビリ、とビールを喉に流すやいなや広島弁の語気が一段と荒くなる。
 「広島をバカにしちゃいけんドォ~」
 私は無言で首を横に振り、(決して広島をバカにしてはいない)と表現するが、この際首を縦に振るのが正しいのか横に振るのが正しいのか? YesとNoとの身振り手振りにおける広島的表現方法が判らなくなり酔いも混ざってしまい、何かしら互いの意思疎通に混濁を生じる。
 「ボクたちの生まれ育った街には、明治の時代に旧日本帝国陸軍が建造した立派なレンガ造りの格調高い建物が3つある。霞町の兵器廠、出汐町の被服廠、宇品神田町の糧秣廠だ……」
 友人の説明を聞きながら、私は霞町と出汐町の立派な赤レンガ建造物を思い出した。
「そういえば立派な建物がある。あるある、霞町の建物は今、『広島大学医学部』になっているぞ。出汐町は日通が倉庫として使っている。それ、それだな。宇品にあったかな?」
 「おう、宇品にもあるんじゃ。今は食品会社が使うとるが、あれじゃ……」
 「……?」
 当時(おおよそ25年前、かれこれ四半世紀以前)の私は、宇品の歴史的建造物が理解できなかった。
 親切でお節介な友人は、そんな私の地元広島への愛着の無さを非難しつつ、
「近々(ちかじか)広島市の資料館としてオープンする。開館当日、ぼくは一番に入館し見学するんだ。広島の古い町は、原爆ですっかり消えてしまったのだと思うのは大間違いだ。明治の遺産を大切にしながら、歴史として残すべし。明治時代から大正昭和の時代の歴史を抹殺しちゃいけん。もちろん平和は大切じゃが、明治維新以降に軍都として栄えた広島市の生き様、歴史の事実を伝え残してこそ、ほんまの平和の意味い考えたり語ったりできると思ぉ~とるでぇ。甘いも辛いも全部、次世代に教えて引き継がにゃいけんのじゃ……」と、地元宇品の飲み屋でどくろを巻き、大声出して喚いていたのを思い出します。
 かくして明治時代に建造された旧日本陸軍の『宇品陸軍糧秣支廠』は、新たに『広島市郷土資料館』としてデビューしたのは昭和61~2年頃か。それから平成の時代になってかれこれ四半世紀も過ぎた今、私は初めて、この資料館に足を踏み入れるのです。(投稿:トーマス青木)



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Ps: 都合3回、連載します。

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