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「草枕」を読み終えて、、、

 『朝から格闘だ。夏目漱石の草枕と、目下のところ格闘中だ。いやなに、恥ずかしながら、未だかつて「草枕」を読んでいない。云々……』というセリフから始まったブログ記事を書いたのは、先週木曜日(7月1日)の早朝でした。 確かにあの日はいつもより早起きし、6時過ぎから取り組んで11時頃まで、約5時間かけて夏目漱石の草枕を通読しました。 ある程度の時間をかけ、まとまった文章を集中的に読み通したのは久しぶり。 かくして、かなり気合の入った午前中を過ごしたのです。
 すでにお話ししている通り、7月1日は『夏目漱石を読む会』すなわち毎月一度第一木曜日午後1時半から始まる『木曜会』(読書会)の今月の宿題が『草枕』だったので、先ずは草枕を読んでおかないと会に出席する大前提が出来上がらない。 と云う事は、仮病かあるいは特別な用事でも作って(捏造して)木曜会をサボらなければ具合が悪くなる。 たかが、この程度の宿題をやっていないからと云って読書会をサボるのは、子供が仮病を使って学校を休むより以上に?(日本国総理鳩ポッポじゃあるまいし)子供の考よることよりもレベルの低いこと。 いいトシ(年齢)して、ガキでも恥ずかしいようなたわいもない理由で、そしてこんな些細な事で、つまらぬ仮病を使って会合をサボっていたら、今後、生きていく資格がなくなるのではないか?等々大袈裟に、あれこれ考えていたのは「木曜会」の前日6月30日の就寝前だった。 覚悟して眠りに就き、翌朝は、ハタと早起き。 上述の通り頑張って『草枕』(岩波文庫ワイド版・176pp)を読み終えたのであります。 先にお話ししました通り、恥ずかしながらこのたび初めて『草枕』を読んだのであります。 では、他の会員は如何か? 木曜会の構成メンバーとは平均年齢七十歳の博学才女(元才媛)は全員が元文学少女にて、少なからず女学校時代にこのあたりの日本文学の基礎の基礎はお済ませの方々ばかりです。 しかししかし、読書会で出てきたお言葉の第一声が、「あらためてこの度、再読して良かった!」と、、、。 つまり、若い頃に読んだ感覚と、あらためて歳を経て読んだ感覚と、明らかに違いがあって「若かりし時よりも、この度の方がより深く読み込むことができた……」等々の感想が出て来ました。
 そして私の場合、、、
 想像していた以上に、あまりにも難しい読み物でした。 まぁ、せいぜい『坊っちゃん』の筋書きに「紀行文的な自然描写」が添えられて、ゆるゆると読み進めていけば平易に通読できるしろものかと思っていたら大間違いだった、と云う「くだり」は先日お話ししたとおり。
  (以下、草枕の本分引用……)
 山を登りながら、こう考えた。
 智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。
 住みにくさが高じると、安い所へ引っ越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生まれて、画が出来る。
  (……以上、引用終り)
 草枕のはじめにおかれている「上述のセンテンス」は、余りにも有名です。 初めて草枕を読んだ私にも、上述のセンテンスはどこかで聞いたことがある。
 この草枕を書いた当時(『草枕』は『新小説』の明治39年9月号に発表された。『新小説』は春陽堂が出していた明治大正期の代表的な文芸誌である)の夏目漱石にとっては、いとも簡単?とは言わないまでも、いとも日常の出来事「あさめし前」なる気分乃至心得にて「書き始めた」センテンスだったに違いなく、アリとあらゆる場面に漢文的要素の歴史文化文芸の知識鏤められ、日本的要素の俳句(時に和歌)は二の句を挙げずに突いて出ており一体全体漱石自身が作った作品か友人の正岡子規のものかはたまた高浜虚子か芭蕉か一茶か、読み手にとっては分別が付かなくなる?わけが分らなくなるくらいに、しかし書いている本人夏目漱石にとっては豊富な古今東西の名言名詩名句のパーツを使いこなせる。 例え話にて西洋の詩歌、はたまた比喩表現にて西洋絵画(ミレーのオフェリヤの面影…)の蘊蓄が出て来るから、当然ながら英文も出て来る。完璧なまでに和漢混載完成度の高い天才的な頭脳を持っていた夏目漱石の片鱗を、この草枕のわずか数ページを読み進めただけで、窺えるのであります。
 「モノを書くとは、こういう事だ!」と、
 当時(明治後期)流行り始めた平易な文章による平易な読み物に対し反駁した漱石が、自ら鉄槌を下さんばかりに書き進めたのが「草枕的文章」なのかもしれない。 ま、漱石作品を前期と後期に分ければ、「坊っちゃん作品」にみられる前期特有の『勢いのよさ』はもちろん、「吾輩は猫である作品」的典型とも思われる「漱石風知識教養の乱用と見せびらかし?」が草枕にもふんだんに盛り込まれているから、いたるところで立ち往生且つ辟易大往生する。
 草枕の「ものがたり」は、「とある画家」がスケッチ旅行?のために「とある温泉場」を訪れ、長逗留する。長逗留中に出会った人物との人情のやり取りが、この草枕のテーマか? 『人情』を解明究明していくことが小説草枕の背骨となっているらしい。 でもって、『人情という言葉の定義』がしっかり固まっていないと、(もともと筋書き等重んじない漱石の書き方からして)この小説がどの方向に向かっているか、何を言わんとしているのか、ぼやぼやしていると全く理解できなくなる。また、押し並べて考えれば、大上段に「人情」を哲学的に分解し解明しようとする『草枕・この小説』は、何てことはない。それは小説の中の女主人公「那美さん」に照らしあわせて、ただ単に漱石好みの女性像を描いただけの事であるか。 そう、女主人公那美さんの、あの明治の時代に楚々として、時には男以上におとこまさりで、さりとて女性の持つ色香は漂わせつつ若い画家(漱石をさす?!)に人情と非人情の見え隠れする『あれこれ』風情を、(なみさんが)指南するのである。複数の漱石作品の中に複数出て来る女性像のなか、私は、草枕の「那美さん」が一番好きです。 こういう一見したところ悪女、その実、人生真面目に生きていて、だから、難しく観えたり想えたりするひとがいい。
 そのほか、とりとめもない感想として、まずは(初めて草枕を読んだのでありますが)「草枕を、この年齢になってみて、あらためて読んで良かった!」と、思います。 どうやら、漱石の文章表現力の鋭さに出会えました。 近代日本文学?否、「書き言葉としての日本語の(数ある)手本」の『中核にあるもの』が「漱石文学」である。との、本質の「端っこ」に触れることが出来たような気がします。<…続く……>

            (トーマス青木)


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