ジェームス赤木の随筆集より、、

    ― 二人の世界(Ⅱ) ―                                  
                                           by James Akagi
                                    
 (続)俺の青春時代。 大学四年生初冬。 彼女のボーイフレンドは俺のファンになっていた。 逆に応援してくれだした。 俺が本気だということを周囲も理解して来たらしい。 男同士の友情はいいものだと感じた。 あとは彼女を俺のものに。 しかし、ガードが硬かった。 簡単に落ちると思った俺が馬鹿だった。 今迄と違うタイプだ。 ある日、デイトした夜クラブで食事。 ワインで乾杯。 いつものパターンだ。 その後Pダンスホールでダンス。 Pダンスホールは彼女の社交ダンスのレツスン場だ。 ダンスホールは彼女の方が顔だった。 支配人が逆に彼女に挨拶を交わしていた。 当然すべてのダンスステツプを熟知していた。 俺の方がリードされた。 ブルースになってもチークダンスをうまくかわす。 今迄の俺の付き合って来たタイプとは何か違う。 時間が少しあったので、スナツクで飲み直すことにした。 彼女は素直に従う。 「私、お酒に弱いの」と言いながら強いカクテルを平気で飲んでいる。 (どうなっているの?) その内に、俺の方が酔って来た。 顔が真っ赤になって来たらしい。 「大丈夫?」と言う彼女。 気を使い過ぎていた。 また、KOゴングの鐘がなり出した。 3回戦でダウン。 冷たいオシボリが俺の額にあった。 彼女の胸の中に俺の頭がある。 彼女のバスト。 意外だった。 柔らかくてビツグだった。 ワザとしばらくそのままでいた。 (もつとそのままでいよう)ダメだった。 心配していた彼女、俺の顔をジィーと見ていたらしい。 彼女が先に気がついた。 「気がついたのね、もう大丈夫?」 姉のような仕草だ。 久し振りにグツト来た。 絶対に彼女を俺のものにしてみせると、硬く心に誓った。 何故かその瞬間「就職が内定した先は地元一流企業のJ銀行だ」と伝えた。 「それはおめでとうございます」と一言。 それだけ。 (俺は何を期待していたのだろう) それからは、俺のすべてを彼女の前にさらすことにした。 デイトした時、調子者の俺をいつも笑顔で迎えてくれていた。 しかし、彼女の攻略法を真剣に考え出した俺。 家庭環境を聞き出す。 彼女の家には祖母が同居している。 彼女は一人娘で「おばあちゃん子」であることがわかった。 ある日、彼女が大学へ行っている時間に彼女の自宅へワザと訪問した。 出てきた彼女の祖母とすぐ仲良くなった。 俺のファンになる。 急に彼女の態度が変化してくるのが分かり出した。俺の方に向いた女心はお手のもの。 俺のペースだ。 門限さえ守れば毎日でも逢うことはOKになった。
 周りを固めた俺。 沢山の想い出作りをすることになった。 俺が好きな海、遠出のドライブ、ピクニツクは朝早く出て彼女の手作りのサンドイツチを持って行く。 冬だと気がつかないくらい一緒にいるだけで暖かい。 いくら遠くても絶対に日帰りした。 彼女の祖母との約束だ。 (信用が一番) 彼女も俺のすべてを信用してくれるようになっていた。
 俺の好みの可愛い顔。 笑顔もOK。 色も白い。 スタイルもダンスで鍛えたスラツと伸びた足。 着痩(や)せして見えた大きなバスト等、俺には驚きの連続だった。 特にダンスで鍛えていた身体(ボデイー)はとてもスレンダーだった。 愛が深まり、信頼が高まって来ると隠されていた部分が俺の眼の前に、俺の手に。 俺の眼に狂いはなかった。 「過去」を忘れさせてくれる素敵な女性(おんな)だった。 愛を育(はぐく)み、愛され愛し合う本当の喜びを改めて感じて来た俺だった。
 翌年春の大企業J銀行の新入行員としての挑戦を控え、更に闘志を燃やす俺。 (俺の女を絶対に世界一幸せにしてやる)と誓った。
 彼女と知りあった大学四年生の秋以来、女の娘(こ)は彼女だけ。 わき目も振らず彼女一筋(ひとすじ)一直線の単純な俺がいた。 よく考えると彼女の術中にはまったのかも。
「赤い糸」に結ばれ愛しあった二人は、二年後に永遠に愛を誓い結ばれることに・・・
    
  「二人の世界」(池田充男作詞・石原裕次郎唄)
       (2)僕の今夜の ネクタイを 嫉妬(や)いているのは おかしいぜ
             君は可愛い 僕だけのものなのさ 
             ギターが酔わせる ナイトクラブ
                         影も寄り添う・・・
       (3)逢えば短い 夜だから 何も云わずに 踊ろうよ
             淡い灯りが 又ひとつ消えてゆく
                別れが切ない ナイトクラブ
                         恋のクラブよ・・・

  
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[383] 益田様

「旅遊亭」は友人のトーマス青木氏のブログです。常に友人として意見交換をしています。「随筆しぐれ」をご紹介して頂き、有難うございます。共通の話題等今後に期待させていただきます。よろしくお願い致します。   

[382] >益田さま・・

コメントありがとうございます。
「随筆しぐれ」のことご紹介頂き、まことに光栄です。
さっそくお伺いします。
友人ジェームス赤木になりかわり、リンクさせて頂きます。
これを機会にどうぞ宜しくお願いします。

[381] 随筆 しぐれ

父の書いた随筆を発表しています。
良かったらリンクをお願いします。

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