さよなら恋人よ;「はるかなる愛 Part III」(3回連載・最終回)

  ― さよなら恋人よ ―

 (続)俺の青春時代。 大学三年生秋。 あのビアガーデン事件の彼女との悲しい恋の物語。 連絡が取れてからの彼女との楽しいデイト。 相変わらず彼女との父親(パパ)には秘密のお付き合いだった。 でも彼女のママは俺達の味方。 昼の楽しいデイトはOKだった。 でも、何かママの時々気になる仕草。俺に対する目線が何か気にかかる。(気のせいか…)
 一度、昼のデイトで彼女を自宅まで迎えにいった時、彼女は大学からまだ帰っていなかった。 妹も高校から帰宅していない。 出直そうと思ったが、
 「中に入ってお待ちになって下さい。 純子も約束しているのでしょう。もうすぐ帰ると思うから」と彼女のママが言う……
 手際よく、コーヒーを入れてくれたママだった。 今日はなぜか元気がない。 年齢(とし)のせいだろうか? しかし、四十代そこそこ、まだ若い。 年増の色気も十分だと俺は感じていた。 でも、あくまでも彼女の母親として見ていた。 少し沈黙の後、ポツリと
 「疲れたわ」と一言。
 彼女の父親(パパ)は会社人間、朝から晩まで仕事一筋の真面目な経営者だ。 女としては、もの足りない男性(おとこ)だった。 雑談をしながら会話。 女の心理状態を把握するのはお手のもの、ママの悩みを聞くことになる。 早く彼女が帰ってくることを祈りながらも、男として満足する回答を一生懸命探し出し解答した。 ママはニッコリといつものように笑顔で「ありがとう、何かスツキリしたわ」と俺の手を握って来た。
 (良かつた。いつものママになってくれた)と、
 俺も思わず握りかえした。 細く冷たい手だ。 いつもと違う、ママの眼を見た。 ママの瞳は女の瞳だった。(ピンチ)
 彼女が帰って来た。(セーフ)
 いつもと変わらぬように彼女とショツピングに出かけた。
 ある日、俺と彼女の交際が父親(パパ)にバレた。 父親は東京の一流私立大学出身、俺が三流大学生だったのが気に入らなくて交際を認めてくれないし、まったく話しも聞いてくれなかった。 真剣に交際を認めてもらおうとしたがダメだった。
 (しかたがない駆け落ちでもするか)
 そんな気持になった。
 「娘を不幸にする」と、断固反対した彼女のママ。
 彼女は英国へ留学することになった。 俺と離すために。 彼女のママは「時間が経てば解決するわ、それまで我慢して」と。
 たまたま、父親は仕事の関係で見送りに行けなくなった。
 (チャンス、東京まで見送りに行ける…)
 彼女を羽田空港まで見送ることが出来た。また逢える日まで……
 帰りは時間の関係で東京に泊まることになった。 ママと同じホテルだ。 当然、部屋は別。 デイナーは二人で。 いつものパターン。 ワインで乾杯。 酒の弱い俺にカクテルを何杯も注文。 酔いが回って来た。 またゴングだ。 そして、ダウン。 気がついたらママのベツドの上だった。 一時は空手で鍛えた身体。 胸板も厚く体力も自信はあつた。 今日は悪酔いした。 少し頭が痛かった。 次の瞬間、俺の上からKissの嵐、押さえ込まれた(心地良いウエイト?)俺の「理性」ピンチ。 「男と女」の戦闘モードに切り替わる。 攻撃には強いが防御に弱い俺だった。 ノツクアウト寸前のボクサーだ。 相手のされるままのパンチ攻撃を受けるだけ。 中年女性の「しつこさと怖さ」を知った俺。 あの娘(こ)の「思い出」とすべてのエネルギーを奪い取られてしまつた俺がいた。 完璧にノツクダウンされた敗北のボクサーだった。 まだ世間のモラルが厳しい時代(後悔した)、もう彼女にも他の誰にも会わす顔がなかつた。 地獄に落ちた。 この心の傷を癒すのに時間が必要だった。 純粋に思い悩んだ。For ever(永遠に)・・・
 (青春残酷物語……)
 それ以来あの娘の前から姿を消した傷心の俺だった…

     「さよなら 恋人よ」(猪又 良作詞・石原裕次郎唄)
  ・さよなら 恋人よ いのちをかけた恋も 今宵かぎり
   さよなら 恋人よ 振り向かないで
         霧の中へ 消えておくれ
  ・さよなら 恋人よ はりさけそうな胸に にじむ涙
   さよなら 恋人よ 俺らも一人 
         霧の中へ 消えてゆこう…

                           <…完…>

 * 「はるかなる愛PartII」は、こちらから戻れます。。

                                     <投稿:ジェームス赤木>

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Comment

[400] >freemanさん・・

「俺の青春時代」を見ていただきありがとうございます。誰にでもある若き時代で懐かしく思い出せる時間(とき)を語ることが男として大変幸せな空間でもあります。生きている限り青春です。夢を持って前向きに人生を歩んで行きたいと思います。今後共よろしくお願いします。

[399]

フリーマンです。とっても面白く読ませて頂きました。
ジエームス赤木さんは、今でもその頃の面影がタップリ
有りますネ!!一生青春ですネ!!歌もお上手ですし・・・
 (^−^)  フリーマン

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